2020年7月はまだ台風が発生していません!これは観測開始依頼、史上初なのだそうです。例年、台風が日本列島に接近もしくは上陸して梅雨明けというイメージなんですけどね。なぜ台風が発生しないのでしょう?その原因を調査してみました!
2020年の現在の台風発生数
2020年に入って台風が発生したのは、5月に1個・6月に1個の2つだけです。
1号ヴォンフォン:2020年5月12日(火)
2号ヌーリ:6月12日(金)
どちらも日本に直接的な影響はありませんでしたね。
日本へ来る台風は、例年、フィリピン海域でたまごが発生して発達しながら日本へ接近してきます。
現在、その海域では台風に発達するような熱帯低気圧もみられないのでこのままだと7月中に発生する台風は無さそうです。
なぜ台風が発生しないのか?
う〜ん、なぜ今年は7月に入っても台風が発生しないのでしょうね?
台風発生の仕組み
まずは台風発生の仕組みからみてみましょう!
台風のたまごと呼ばれる台風の元は、赤道に近い海水温の高い海で発生します。
海水温が高いので水蒸気が多く、それが上空で冷やされて雲となります。
たくさんの水蒸気によって、たくさんの雲がくっついて大きくなり、それが渦を巻きながら大きな雲の塊になります。
渦の周りの風の強さが17m/s(1秒間に17m進む速さ)以上になると「台風」と呼ばれます。
実は台風は自身ので動くことは出来ません。
台風が北上して来るのは、上空の風に乗って来るのです。
日本近海へ来る台風は偏西風に乗ってやってきます。
台風がやって来ると梅雨前線が押し上げられて「梅雨明け」になることも。
今年は台風がやってこないので梅雨明けも遅くなっているのかもしれません。
ちなみに夏になると日本の上空は「太平洋高気圧」に覆われるので、それが台風をブロックし「太平洋高気圧」のへりを台風が進み、日本列島に台風が直撃するのを防いでくれることもあります。
フィリピン沖海水温が低いのか?
先ほど台風ができるのは海水温が高い海域だと説明しました。
では、2020年7月現在、フィリピン沖の海水温が低いのか?というと、そうではないのです。
現在もフィリピン沖の海水温は30度以上もあり、台風が発生するには充分な高温度です。
台風発生には水蒸気と上昇流が必要です。
水蒸気を上空まで運んで、冷やして水や氷の粒に戻さないと雲は発生しません。
その上昇流が現在のところ弱くなっているというのです。
なので台風に発達する大きな雲の渦が出来ないのです。
では、その風の動きをみてみましょう!
Windy
Windyは風の動きを視覚で見ることができます。
天気予報を視覚的に捉えられると言うことで、パイロットや政府機関でも利用されているツールです。
スーパーコンピュータによる予報で「世界一の数値予報精度」と言われていますヨーロッパヨーロッパ中期予報(ECMWF)をモデルにしています!
素人目なのではっきりとはわかりませんが、確かに風の動きが弱いように思います。
台風ができる時はもっと風の動きが激しいのです。
調べてみると、どうやら『インド洋の海水温が高くインド洋で広く上昇流が強くなっている』のだそうです。
その影響なのか、逆にフィリピン沖を含む『太平洋で上昇流が弱くなっている』のではないかということです。
太平洋上の上昇流が弱いために、フィリピン沖での海水温が高くても雲が出来にくく台風が発生しないようです。
2020年7月に日本に来る台風が出来ないのは、太平洋だけでなくインド洋、大きく言えば地球全体の海水温や風の動きが、例年とは違うからなんですね!
地球はひとつなんだなぁ〜!と改めて感じました。
8月の台風発生はどうなる?
7月中の台風の発生する確率は低そうですが、今後8月に入ったらどうなるのでしょう?
日本気象庁が発表しているエルニーニョ監視速報というのがあります。
これによると8月以降はフィリピン沖の海水温がもっと高くなり、上昇流が強くなる見込みだそうです。
そうなると太平洋上でできる台風が多くなることになります!
一概にはっきりとは言えませんが、その恐れもあるかも。
実は2016年も今年と同じような状況でした。
2016年の台風1号は7月で、その後、6個の台風が発生し甚大な災害が発生しています。
特に台風7号(チャンスー)は2016年に最初に日本に上陸した台風で、9年ぶりに北海道に上陸した台風です。
記憶にある方も多いのではないでしょうか!?
2016年の台風発生数は最終的に26個だったので、例年並みの台風が発生したことになります。
なので2020年も、8月9月に入ると次々と台風に見舞われる恐れがありますね。
これは油断しない方が良さそうですっ!!
まとめ
【台風3号2020なぜ発生しない?原因は海水温と上昇流で8月に大量発生する恐れあり?】をまとめました。
7月に台風が発生しない原因は地球規模の気流や海水温に関係がありました。
8月以降は台風の発生も多くなりそうです。
気を緩めずに災害対策や防災意識を持って過ごしていた方が良さそうです。
「そのにゅーすって、ほんと!?」でした。